目次
前回の記事では、久しぶりに下道を走って迷子になったことで、改めて「バイクで走ることそのものの楽しさ」を思い出した話を書きました
高速道路を使えば、目的地まで早く着くことができる。
スマートフォンのナビを使えば、道に迷うことも少ない。
それは、とても便利なことだ。
でも、バイクで旅をするなら、たまには不便な道を走ってみるのも面白い。
知らない道を走る。
地図を見ながら進む。
「あれ?今どこにいるんだ?」
と迷う。
そして、予定していた道とは違う場所へ辿り着く。
そんな経験も、バイク旅の思い出になる。
私は、そんな下道ツーリングが好きだ。
そして、紙地図を使って走る旅には、スマートフォンのナビとは違う面白さがある。
自分で現在地を確認して、自分で次の道を決める。
ナビに言われた通りに進むのではなく、自分自身で道を選んでいく。
これは、「旅をしている」という感覚を強く感じられる方法だと思う。
ただし、紙地図を使って下道を走るなら、いくつか注意しておきたいこともある。
今回は、私が紙地図を使って下道を走るときに大切だと思うことを2つ紹介したい。
それは、
「紙地図は簡単に手が届く場所に置くこと」
そして、
「少しでも不安を感じたら、早めに停車すること」
だ。

紙地図を使ってバイクで走るなら、地図をどこに収納するかは意外と重要だ。
「紙地図なんて、バッグに入れておけばいいんじゃないの?」
と思うかもしれない。
もちろん、それでもいい。
しかし、サイドバッグの奥や、開け閉めに時間がかかるバッグの中に入れてしまうと、地図を確認すること自体が面倒になってしまう。
たとえば、道に迷ったとする。
地図を確認したい。
でも、地図はサイドバッグの中。
バイクを停める。
サイドバッグを開ける。
荷物を取り出す。
地図を探す。
地図を広げる。
現在地を確認する。
進む方向を確認する。
そして、また地図をしまう。
これだけの手間がかかる。
一度や二度なら、それほど気にならない。
しかし、知らない道を走っていると、紙地図を見る機会は意外と多い。
すると、だんだん地図を見ることが面倒になってくる。
「まあ、このまま進めばいいか」
「もう少し走れば分かるだろう」
そんなふうに考えてしまう。
これが、道に迷う原因になる。
だから私は、紙地図を使って走るなら、
できるだけ簡単に手が届く場所に置いておくことをおすすめしたい。
理想は、短い時間で地図を確認できる場所だ。
安全に停車できる場所で、
開く→現在地を確認する→進路を確認する→閉じる
この一連の動作をスムーズにできるようにしておく。
たとえば、タンクバッグなど、比較的取り出しやすい場所に地図を収納する方法もある。
ただし、信号待ちなどで地図を見る場合は、周囲の交通状況に十分注意したい。
無理に信号待ちの時間で確認する必要はない。
安全に停車できる場所まで移動してから地図を開けばいい。
大切なのは、
「地図を確認することを面倒にしない」
ということだ。
紙地図を使ったバイク旅では、地図を見ることも旅の一部になる。
地図を広げて、
「今、自分はここにいるのか」
「この先はどちらへ進もうか」
「こっちの道のほうが面白そうだな」
と考える。
その時間も、紙地図で走る楽しさのひとつだ。
だからこそ、紙地図は「持っているだけ」ではなく、「すぐに確認できる状態」にしておく。
これだけでも、無駄な遠回りを減らすことができる。
そして、何より大切なのは、道に迷ったときに「面倒だからもう少し進もう」と考えないことだ。
迷ったら、地図を見る。
そのために、地図をすぐ確認できる場所に置いておく。
これが、紙地図で下道を走るときの基本だと思う。

紙地図を見ながら下道を走っていると、
「この道で合っているのかな?」
と思う瞬間がある。
そんなとき、あなたならどうするだろうか。
そのまま走り続けるだろうか。
「もう少し先まで行けば分かるかもしれない」
「次の交差点まで行ってみよう」
「たぶん、こっちで合っているだろう」
そう考えてしまう人もいると思う。
私も、そういうことはある。
しかし、紙地図で下道を走るときに私が強くおすすめしたいのは、
少しでも不安を感じたら、積極的に道路の避難帯に入ることだ。
もちろん、後続車や周囲の状況を確認して、安全に停車できることが大前提だ。
そのうえで、
「避難帯が坂道にある」
「ちょっと停めにくそうだ」
「少し狭いな」
なんて思う暇があるなら、まず入ってしまおう。
安全に停車できるのであれば、私はその場所が「ベストな場所」だと思っている。
なぜなら、迷っている状態で走り続けると、どんどん間違った方向へ進んでしまう可能性があるからだ。
たとえば、本当は右へ曲がるべきところを、間違えて左へ曲がったとする。
最初の段階で気づけば、少し戻るだけでいい。
しかし、
「まあ、次の道で戻ればいいか」
と先送りする。
そして、そのまま走り続ける。
10分経つ。
20分経つ。
気づけば、かなり遠くまで来てしまっている。
こうなると、引き返すだけでも大変だ。
さらに、山道や田舎道では、すぐにUターンできる場所が見つからないこともある。
そして一番怖いのは、
自分が間違った方向へ進んでいることに気づかないまま、走り続けてしまうことだ。
だから私は、
「ちょっと不安だな」
と思った時点で、一度止まることをおすすめする。
紙地図を開く。
自分が今いる場所を確認する。
来た道を確認する。
そして、これから進む方向を確認する。
それだけでいい。
道を間違えることは、決して悪いことではない。
バイク旅をしていれば、道を間違えることなんていくらでもある。
私だって、何度も道を間違えてきた。
そして、道を間違えたからこそ、偶然見つけた景色もある。
予定していなかった集落。
たまたま見つけた神社。
偶然出会った美しい山や川。
道を間違えたことが、後から振り返れば旅の思い出になっていることもある。
だから、道を間違えること自体を恐れる必要はない。
ただし、
「間違っているかもしれない」と思いながら走り続けること
はおすすめしない。
不安を感じたら止まる。
地図を見る。
必要なら引き返す。
早めに確認すれば、修正する距離も短くて済む。
逆に、確認を先送りすればするほど、間違った方向へ進んでしまう可能性が高くなる。
だからこそ、
少しでも不安を感じたら、早めに道路の避難帯へ入る。
これを覚えておいてほしい。

紙地図を使ったバイク旅は、スマートフォンのナビとは違う。
常に現在地を教えてくれるわけではない。
「次の交差点を右です」
と教えてくれるわけでもない。
だから、自分で考える必要がある。
今、自分はどこにいるのか。
この先には何があるのか。
どの道を進むのか。
自分自身で考えながら走る。
これこそが、紙地図を使った下道ツーリングの面白さだと思う。
しかし、自由に走れるからこそ、迷うこともある。
だから私は、
「紙地図をすぐ確認できる場所に置く」
そして、
「少しでも不安を感じたら早めに停まる」
この2つを大切にしている。
バイク旅をしていると、時間を無駄にしたくないと思うこともある。
「早く目的地に着きたい」
「できるだけ距離を走りたい」
そんな気持ちになることもある。
でも、数分立ち止まることで、何十分もの遠回りを防げるかもしれない。
それに、バイク旅では「急がないこと」も旅の楽しさのひとつだ。
地図を開いて、
「さて、ここからどうしようか」
と考える時間も、旅の一部なのだ。
紙地図を広げながら、次の目的地を考える。
予定通りに進むのもいい。
予定を変更するのもいい。
時には、目的地そのものを変えてしまってもいい。
そうやって、自分で道を選びながら走る。
それが、紙地図を使ったバイク旅の醍醐味なのかもしれない。
もし、あなたがこれから紙地図を片手に下道を走るのであれば、ぜひ覚えておいてほしい。
紙地図は、すぐ手が届く場所に置く。
少しでも不安を感じたら、早めに止まる。
この2つだけでも、きっと旅はもっと快適になる。
そして、もし道を間違えてしまったとしても、焦らなくていい。
バイク旅では、間違った道の先に、思いがけない景色が待っていることだってある。
目的地に向かうことだけが、旅ではない。
地図を開き、自分で考え、時には迷いながら進む。
その過程そのものを楽しむ。
それもまた、紙地図で走る下道旅の魅力なのだと思う。
今回の記事の前編として、久しぶりに下道を走って迷子になったことで、改めてバイク旅の楽しさを考えた記事です。
「目的地へ最短距離で行くこと」ではなく、「遠回りすること」「迷うこと」「一人で走ること」にバイクの魅力を感じる方には、ぜひ読んでほしい記事です。
→ 「バイクに乗る意味を再び考える」を読む
紙地図を使った下道ツーリングの原点として、過去の日本一周ツーリングの記事もおすすめです。
長距離をバイクで走ること、知らない土地へ向かうこと、旅の途中で起こる予想外の出来事。
そんな「バイクで旅をする」という体験を、より深く楽しみたい方はこちらもどうぞ。
→ 「2017年 日本一周ツーリング」の記事を読む

紙地図で下道を走るバイク旅は、決して効率のいい旅ではない。
道を間違えることもある。
迷子になることもある。
予定より目的地に到着するのが遅くなることもある。
それでも、私は紙地図を使って走る旅が好きだ。
なぜなら、自分で考えながら進むことができるからだ。
地図を開いて、自分の現在地を確認する。
次の道を自分で決める。
そして、時には道を間違える。
そんな不便さの中に、バイク旅の面白さがある。
ただし、安全に旅を楽しむためには、早めの判断も必要だ。
紙地図は、すぐ手の届く場所に置く。
少しでも不安を感じたら、早めに停車する。
この2つを意識しておけば、紙地図での下道ツーリングはもっと楽しくなるはずだ。
そして、道を間違えたときには、少しだけ考えてみてほしい。
「もしかしたら、この道を間違えたからこそ、面白い景色に出会えるかもしれない」
バイク旅では、そんな偶然が起こることがある。
だから私は、これからもきっと遠回りをする。
高速道路を使えばすぐに着く場所へ、あえて下道で向かう。
紙地図を広げる。
少し迷う。
そして、また走り出す。
目的地へ急ぐのではなく、その途中にある景色を楽しむ。
それが、私にとってのバイク旅なのだ。
さあ、紙地図を持って、少し遠回りをしよう。