これまでのあらすじ~2017年日本一周ツーリング~
2017年4月9日~4月16日 出発から淡路島上陸~日本一周ツーリング第一章~
2017年4月16日~5月1日 淡路島から四国脱却まで~日本一周ツーリング第二章~
2017年5月1日~5月15日 岡山から沖縄上陸~日本一周ツーリング第三章~
2017年5月15日~5月21日 沖縄上陸から沖縄脱出~日本一周ツーリング第四章~
2017年5月21日~5月27日 九州着から脱出まで~日本一周ツーリング第五章~
2017年5月27日~6月7日 本州縦断、北海道上陸~日本一周ツーリング第六章~
いよいよ日本一周中に行った長野でのリゾートバイトに入ってしまいました。本当に終盤になります。
ここでは日本一周後にも影響を与える人たちと出会い、改めて自分自身を見直しました。
目次
青森県でバイトの話を頂いてから、しっかり考えて受けさせてもらいました。
ですが、実際に長野県へ来ると「本当に受けていいのか」悩み始めました。
日本一周に出発して約4ヶ月。本当に好き勝手に生きていました。
そんな状態でバイトに行って社会的な生活が出来るのか、肉体的にも精神的にも不安が強かったです。
なによりもオーナーと、既存のスタッフさんと仲良く出来るのか。怖かったです。
直前まで「ドタキャンしようかな、逃げちゃおうかな」とも考えてしまっていました。
秋田県のキャンプ場でご一緒したZRXの方に相談させてもらっていた事が蘇ってきました。
「逃げちゃダメ。逃げると、今後の人生も逃げの人生になる。」
そんな一言に背中を押され、そして日本一周中という事はオーナーも知っているのである程度は大目に見てくれる!と甘えの心を全開にして、やっとバイト先の「しんたく山荘」へ行けました。
ネットで検索しても外観がよく分からず、近くまで行ったのは良いけど建物が分かりません。
赤ちゃんを抱き散歩をしていたご婦人に聞き、もう少し奥の方だと教えてもらいました。
バイクで行けるか不安だったのでとりあえず歩きで入り口まで行ったのは覚えています。やけに昭和チックな建物が見え、1ヶ月ほどお世話になる建物と対面しました。
オーナーもお会いすると、とても気さくで安心できる方でした。
あ、ちなみにこの時は1ヶ月もお世話になるとは思ってもいなかったです。7月30日~8月2日ぐらいまで団体客が三組宿泊するからその間だけでも手伝ってほしいとの内容だったと思います。
なので、青森のねぶた祭には行けると思っていました。ねぶた祭りは旅人の聖地とも言われており、しんたく山荘のオーナーも学生時代に行った事があるそうです。ですが、バイトの序盤に迷惑を掛けてしまい、結果的に1ヶ月お世話になっていました。
私用の宿泊所も立派な建物を用意してくれました笑。以前身内が使われていた建物だそうです。一部屋、どころではなく一件丸々使わせてもらえました。
このバイトで沢山の人にお会いしました。
紹介してくれたマーシャさんもですが、オーナーの高見沢さん、派遣板前のお二人、温泉宿「灯明の湯」のスタッフの方、そしてお客様。
バイトに来ていなかったら、私の日本一周の意味合いもゴロっと変わっていたぐらい大きな出来事が多かったです。
私が到着した日の晩御飯は、オーナーが普段行っている焼き肉屋でご馳走になりました。泊まり込みのバイトは私と派遣板前のお二人。板前に派遣があるのかと、驚きましたがお二人とも50代だったと思います。板前さんも大変なんですね。
この板前さんの二人が主にご飯を作り、私が配膳と掃除、お客さん対応の様な配置になるんだろうなぁと思っていました。
ですが、板前さんの一人が体調不良を訴え2日目の朝に帰宅しました。焼き肉を食べに来ただけですね(笑)
残った板前さんもアル中で昼からよく飲んでいました(笑)飲んで酔ってお客様に絡む始末。
日本一周前は結構キッチリした社会しか経験していなかったので、こういった状況もとても新鮮でした。
あ、こういう状況でも人って働けるんだぁってね笑
板前っていうしっかりした経験があれば、でしょうけどね。
お客様とも一つ一つが大きな気付きをもらいました。
サッカークラブの小学生の集団、中学生の女子バレーボール部の集団の方々。
初めての対応はこの二組でした。
BBQの時には殆ど付きっ切りで一緒に遊んでいました笑
自分が中学生の頃を思い出したりしました。
少なくとも「wifiありますか?」等は聞いた事がない環境で育ったのには感謝しました。
これまで体験した事の無い世界を見れて、しっかり対応できてお客様が帰る頃には達成感も充実感もありました。
自分の中で、出来る精一杯のおもてなしをしたので思い出の夏休みなったらいいなぁ。と願うばかり。
生徒さんたちとのお別れの時に、新しい自分を発見しました。
日本一周中は、私が立ち去る側だった。
今回は、置いて行かれる自分。
気を抜くと涙が出てきてしまいそうになる。
そして笑顔が作れない。自分の気持ちを殺して笑顔で手を振るなんて出来そうにない。
そんな自分がいました。なんとか表に出てバスに手を振ってお見送りをしました。
みんな笑顔で行ってくれたのが救いでした。
最初は自信も無く不安で一杯でしたが、生徒さんたちの一夏の思い出になってくれたと思えば、とても達成感はありました。最後のお見送りだけ、しっかり出来れば。
思い出してみれば、昔からこんなんだったなぁと思っていました。
我が強いというのか、自分の感情に素直というのか。すぐに顔にも出てしまいますしね。
最初のグループが終わった後に、大学生の二人がバイトで参加しました。ネットから申し込まれた派遣バイトで「仲間が出来るのか!」とわくわくしていました。
大人の板前が二日目で逃げてしまっているので、この学生二人も長く続かないかも。とも思っていました。
いずれピースボートに乗るのが夢らしく、就職も船のスタッフを志望していた様です。そんな二人だったので私が苦手だった配膳などが得意で大分楽になりました。
この辺りから、私がバイトリーダー的な立場になっていて責任感が出てきました。
団体のお客様が居る時は、25時以降ごろに寝て、4時ごろに起きだして朝食の準備をする。という生活が少し続いた記憶があります。
大学生の二人にも指示を出すようになり、お客様が外出中の昼間を全て掃除する時間に当て3人で館全体を綺麗にしていました。
この二人の大学生は、私の大学時代と比べてとてもしっかりしていて頼もしかったです。私よりも経験豊富だったので相談しながらしっかりと働く事が出来ました。
その中で、賞味期限が少し過ぎてしまっている物を提供してしまい、オーナーにご迷惑を掛けてしまいました。
前回の団体様の際に用意したものの余りを出してしまったんですね。
私が飲食業の経験もなく、そんなに気にする物でもない物だったので気を抜いてしまっていました。
これがオーナーにもとても気を使わせてしまった失敗です。
この後、オーナーは何度もお客様に呼ばれ謝罪をしてくれました。本当に申し訳ないことをしてしまいました。
それが原因で夜に交通事故を起こす程でした。道路を逸れて林に突っ込んだという事故だったので特に大きな被害も無かったのは良かったです。救出に向かう為に久しぶりにバイクに跨りました。
バイトでお世話になって10日前後でしたが、エンジンのかかりが悪く始動に苦戦しました。バイクは走り続ける、しっかりと走るというメンテナンスが必要ですね。
派遣バイトの大学生2人ともお別れの時が来ました。
彼らとも10日間の付き合いでした。
宿泊業は右も左も分からない私に付き合ってくれて、教えてもらう事も多く嬉しかった。
お別れの際には涙ぐんでしまいました。
前回のお客様との別れとの違いは、逃げ場が無いことです笑
最寄りの駅清里の改札でお別れしました。しっかりと笑顔で。頑張れよ、楽しかった、一緒にいれて良かった。そんな思いでした。
彼らから最後にメッセージ入りのニベアのハンドクリームを貰いました。今での部屋に置いてあります。
このバイト、食器洗いももちろんあるんですが、そのお陰で手がボロボロになったのを思い出しました笑
これで彼らの人生の中の私は死にました。もう変わる事は無いでしょう。ある種不変の存在となりました。彼らの中での私は一緒にいた10日間で、もうその時間は進むことはない。
逆に彼らの中で、私は生き続ける事が出来る。私の肉体が無くなっても、彼らの中では生きている。
それは彼らだけではなく、私がこれまでの人生で会ってきた人達にも言える事なんだなぁと。
私の肉体が無くなっても私はみんなの記憶の中で生き続ける。そんな感想を漠然と抱いていました。
8月の後半に大学生のグループとサッカーチームが二組の宿泊予定があったので、それが終わるまではしっかりやろうと1週間ほどは温泉宿「灯明の湯」の手伝いで残っていました。
その時には別の派遣バイトの大学生が来ました。彼は2日で逃亡していきました笑。
朝に起きてこないと思い、部屋を見に行ってもぬけの殻だと心臓に悪いですね。
無事に帰れたのかも分からない。なんで帰ってしまったのかも分からない。せめて理由は知りたかったなぁと今でも思います。
最後のお客様も無事に見送り、すべての部屋と館全体を掃除していよいよ私のリゾートバイトも終わりです。
沢山の経験をさせてもらいました、しんたく山荘全体を綺麗にし終わり。色々ありましたがとても濃い時間でした。
未経験の事を沢山経験出来ました。
最後の日は私が使わせてもらっていた部屋もしっかりと掃除し現状復帰と立つ鳥跡を濁さす精神です。
お別れには苦手意識があるので、しっかりとお別れしよう!と活きこんでいるとオーナーも苦手なのか全然顔を合わせてくれません笑。まぁ忙しい人ですからね。そうなっちゃいますよね。
お給料を手渡しで頂き、そのままどこかへ行ってしまいました。
私は灯明の湯の方へ行き、スタッフとのお別れをしに行きました。オーナーもいると思いましが、不在でした。
待っても待っても来なかったので、私は出発しました笑
締まりのない最期でしたが、これはこれで良いと思えました。
また次に会えるのを信じているから、しっかりと別れない。それも大事な事だと思いました。
会う度にしっかり別れていたら、それはそれで疲れてしまうなぁと。
ここに来る前から、バイトが終わったらどうしようか、悩んでいました。
働いている間もずっと頭の片隅に置いてありました。自分は日本一周ツーリングの最中。
約一ヶ月ぶりにバイクに跨り、向かったのは北東の方でした。
雨男らしく夕方から雨が降りましたが、再び屋根も壁も無い生活に戻りました。
次回は本当に最後になります。バイトが終わり帰宅するまでの日記になります。お楽しみに。